この日元(木村拓哉)は、全日空機911便香港行きのフライトにシフトされていた。機長は内藤ジェーン(竹中直人)のはずであったが、当日の朝、機長が風邪でダウン。急遽、スタンバイの香田(堤真一)が機長を務めることになった。
その日のクルーは、パーサーには太田(段田安則)、CAにはのり子(黒木瞳)、うらら(内山理名)、美和子(加藤貴子)といった顔ぶれ。完璧な仕事を要求する香田機長のフライトとあって、クルーにも緊張感が走る。
離陸5分前、太田からコックピットに、まだ3名の乗客が搭乗していないという連絡が入る。そのお客とは、代議士の小倉(黒部進)とその秘書たちだった。グランドホステスの誘導によって、なんとか離陸予定時刻直前に小倉代議士らは搭乗。香田と元が操縦する全日空機911便は香港にむけて飛び立った。
しかし離陸直後、小倉代議士の様子がおかしいことに、のり子が気づく。ハンカチを握りしめ、しきりに額の汗を拭い、体調に異常があるように見受けられる。気づかいながら声をかけたのり子に、小倉代議士は突然飛行機から降ろせと言い出す。
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